カイリー・アービングとANTA:NIKEとの決別、そして新たな章へ

カイリー・アービングとANTA:NIKEとの決別、そして新たな章へ

NBAのスーパースター、カイリー・アービング。その華麗なドリブルと圧倒的な得点力でファンを魅了する彼は、コート外でも常に注目を集める存在です。2022年末、長年にわたりパートナーシップを築いてきたNIKEとの決別は、多くの人々に衝撃を与えました。しかし、その後すぐに中国のスポーツブランドANTAとの新たなパートナーシップを結び、再び話題をさらっています。今回は、アービングがNIKEとの契約を終了し、ANTAと新たな契約を結ぶまでの経緯と、その決断が彼自身、NIKE、ANTAの3者にどのような影響を与えたのかを深掘りしていきます。

 

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NIKEとの蜜月時代

カイリー・アービングは2014年からNIKEとエンドースメント契約を結び、彼の名を冠したシグネチャーシューズ「カイリー」シリーズを展開しました。このシリーズは、その優れた機能性とスタイリッシュなデザインで、バスケットボールシューズ界に旋風を巻き起こしました。Forbes誌は、アービリングの年間収入を1,100万ドルと推定しており、NIKEにとっても彼との契約は非常に重要なものでした。

数々の名作シューズをリリース

NIKEとの契約期間中、アービングは「カイリー1」から「カイリー8」まで、多くの人気シューズを世に送り出しました。特に「カイリー5」は、その斬新なデザインと優れたトラクションで高い評価を受け、爆発的な人気を博しました。これらのシューズは、NBA選手やバスケットボールファンから広く愛用され、アービングのブランド価値を一層高めました。

突然の契約終了、その背景には

順調に見えたNIKEとの関係は、2022年10月に暗転します。アービングがソーシャルメディアで反ユダヤ主義的な映画のリンクを共有したことで、NIKEは即座に彼との契約を一時停止しました。この行動は、彼のキャリアに大きな影響を及ぼすこととなりました。

チームからも出場停止処分に

アービングが共有した映画には、ホロコースト否定やユダヤ人に対する陰謀論が含まれていました。当初、アービングは映画の内容を非難することを拒否し、所属していたブルックリン・ネッツからも8試合の出場停止処分を受けました。その後、アービングは謝罪を表明しましたが、NIKEは関係修復を断念し、2022年12月に正式に契約を終了しました。

ANTAとの新たな船出

NIKEとの契約終了後、アービングはしばらくフリーエージェントとして活動しましたが、2023年7月に中国のスポーツウェアブランドANTAと5年間の契約を締結しました。このニュースは、再びバスケットボール界に大きな衝撃を与えました。

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チーフクリエイティブオフィサーに就任

ANTAとの契約は単なるエンドースメント契約にとどまりません。アービングはANTAのチーフクリエイティブオフィサーに就任し、ブランド戦略や商品開発に深く関与することになりました。これは、彼のマネジメント会社A11Evenが交渉した結果であり、アスリートとしてだけでなくビジネスパーソンとしての才能も高く評価されています。また、この契約には、アービングが他の選手やブランドとコラボレーションしたり、米国での製造拠点を設立したりする権利も含まれています。

なぜANTAを選んだのか?

アービングがANTAを選んだ理由は多岐にわたります。

ANTAの成長性

ANTAは近年、クレイ・トンプソンやゴードン・ヘイワードなど、NBAのスター選手との契約を結び、グローバル市場での存在感を強化しています。アービングは、ANTAの成長力に魅力を感じ、自身のキャリアをさらに飛躍させるための最適なパートナーと判断したのかもしれません。

自身のブランド設立への足掛かり

アービングはNIKEとの契約期間中、「Uncle Drew」というキャラクターをPepsiのCMで演じ、大きな成功を収めました。この経験から、彼は自身のブランドを設立したいという強い願望を抱くようになり、「A11EVEN」や「Hélà Athletics」といったブランド名も検討していました。ANTAとの契約は、アービングにとって自身のブランドを立ち上げるための大きなステップとなりました。

文化的背景への理解

アービングはネイティブアメリカンのルーツを持ち、自身の文化や信念を大切にしています。ANTAは、アービングの文化的背景を尊重し、彼のアイデンティティを表現できる商品開発を支援すると約束しました。これはNIKEでは得られなかった理解とサポートであり、アービングがANTAを選んだ大きな理由の一つです。

ANTAでのシューズ展開

ANTAとの契約後、アービングは精力的に活動し、複数のシューズをリリースしています。

ANTA KAI 1

2024年3月7日に発売された「KAI 1」は、アービング初のANTAシグネチャーシューズです。このシューズは、アービングのネイティブアメリカンのヘリテージを反映したデザインと、ANTAの最新技術を融合させた革新的な一足となっています。デザインは、アービングとANTAのカラーデザインディレクター、Shaneika Warden氏によって監修され、4方向を象徴するデザインと色彩心理学を取り入れています。

ANTA Chief Hélà

パフォーマンス重視の「KAI 1」に加え、アービングはライフスタイルシューズ「Chief Hélà」もリリースしました。このシューズは、ネイティブアメリカンの伝統的なモカシンからインスピレーションを得たデザインで、アービングのラコタ族の名前であるHélà(Little Mountainの意)を世界に発信します。2025年1月22日に発売され、アービングのヘリテージを表現するカジュアルなシューズとして注目を集めました。

ANTA KAI Tribe

さらに、アービングはスケートボードとストリートウェアのトレンドを取り入れたライフスタイルシューズ「KAI Tribe」も発表しています。「KAI 1」の幾何学的なデザインをベースに、よりリラックスした雰囲気で日常使いに適したシューズとなっています。スエードのオーバーレイと耐久性のあるラバーカップソールを採用し、ストリートでの使用にも耐えうる頑丈な作りが特徴です。

ANTA x KYRIE Youth Basketball Training Camps

アービングはシューズの開発だけでなく、バスケットボールの普及活動にも積極的に貢献しています。ANTAとのパートナーシップの一環として、「ANTA x KYRIE Youth Basketball Training Camps」を中国と米国で立ち上げ、若者の育成を支援しています。

 

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ブランド変更がもたらしたもの

 

 

アービングのブランド変更は、彼自身、NIKE、ANTAの3者にそれぞれ異なる影響を与えました。

カイリー・アービング

NIKEとの契約終了は、一時的に収入やブランドイメージに影響を与えたかもしれません。しかし、ANTAとの契約により、アービングはより大きな自由と創造性を手に入れ、自身のブランドを構築する機会を得ました。彼はNIKE時代には実現できなかった、アイデンティティを反映した商品開発や社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

NIKE

アービングとの契約終了は、NIKEにとって大きな損失でした。アービングのシグネチャーシューズはNIKEのバスケットボールラインの中でも特に人気が高く、重要な収益源となっていました。しかし、ブランドイメージを守るために契約を断つという難しい決断を下しました。アービングの移籍後、ANTAの業績は向上し、NIKEはこのビジネスチャンスを失った可能性があります。

ANTA

アービングとの契約は、ANTAにとって大きな成功です。彼の加入により、ANTAのブランド認知度は飛躍的に向上し、グローバル市場での競争力が強化されました。アービングはANTAのチーフクリエイティブオフィサーとして、ブランドの成長に大きく貢献しています。また、彼の影響力により、他のNBA選手やブランドとのコラボレーションも実現し、ANTAのビジネスはさらに拡大しています。

他のアスリートやファンの反応

アービングのANTAへの移籍は、スニーカー業界でも大きな話題となりました。一部のファンは、NIKEのような巨大ブランドから離れることに疑問を呈する声もありましたが、多くのファンはアービングの決断を支持し、ANTAとの新たなスタートに期待を寄せています。

結論

 

カイリー・アービングのNIKEからANTAへの移籍は、バスケットボールシューズ業界に大きな変化をもたらしました。彼は自身の信念を貫き、新たな挑戦を続けることで、アスリートとしての可能性をさらに広げています。この決断は、他のアスリートたちにも、自身のブランド価値やキャリアについて再考するきっかけを提供したことでしょう。

アービングとANTAの未来はまだ未知数ですが、両者が協力し合い新たな価値を創造することで、バスケットボール界にさらなる革新をもたらすことは間違いありません。彼の移籍は、アスリートとブランドの関係性、そしてスポーツビジネスの在り方そのものを変える可能性を秘めています。

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